国税庁は11月9日、令和3事務年度(令和3年7月1日~令和4年6月30日)の相互協議の状況を公表しました。相互協議事案の発生件数は過去最多の246件、処理件数は前事務年度比31件増加の186件、繰越件数は過去最多の632件となっています。
1. 発生件数
※国税庁HPより引用(以下同様)
2. 処理件数
処理事案1件当たりに要した平均処理期間は31.6か月(令和2事務年度:30.3か月)でした。このうち、事前確認に係るものは31.6か月(令和2事務年度:29.2か月)、移転価格課税その他の事案は31.5か月(令和2事務年度:34.4か月)でした。
3. 繰越件数
(1) 繰越件数
(2) 繰越事案の相手国・地域の地域別内訳
発生件数が処理件数を上回ったため繰越件数は増加し、過去最多の632件(令和2事務年度:572件)でした。繰越事案の相手国は、上位から米国(20%)、中国(16%)、インド(14%)、韓国(9%)、ドイツ(7%)と続きました。
4. OECD非加盟国・地域事案の状況
OECD非加盟国・地域との相互協議事案の発生件数は76件(令和2事務年度:41件)と増加。処理件数は59件(令和2事務年度:42件)で、処理事案1件当たりに要した平均処理期間は44.0か月(令和2事務年度:43.2か月)、このうち事前確認に係るものは43.5か月(令和2事務年度:42.8か月)、移転価格課税その他の事案は44.6か月(令和2事務年度:43.5か月)でした。繰越件数は273件(令和2事務年度:256件)で、繰越件数全体の43%を占めました。
なお令和2事務年度では、新型コロナの影響で対面協議が一切できなかったようですが、今事務年度では、令和4年6月から一部地域で対面協議を再開したと言われています。
税理士 三木 孝夫