外国の駐在員事務所に係る事業税の所得計算について(PEに該当しないケース)

外国で事業を行う法人(特定内国法人)に係る法人事業税の所得計算については、「外国の事業に帰属する所得」を控除します。

 特定内国法人とは?

「恒久的施設(PE)」を有する内国法人をいいます。

 法人事業税の課税標準の算定方法

特定内国法人の法人事業税の課税標準は、所得等の総額から、外国の事業に属する所得等の金額を控除して計算します。

上記の所得から控除する外国の事業に帰属する所得について、原則は、次により計算します。

また法人税の国外事業所等帰属所得の金額の計算上損金算入しない「控除対象外国法人税額」(上記②)は、国外の事業に帰属する所得の計算において減額します。

 外国の駐在員事務所の場合は?

最近取扱った案件の外国の施設は、いわゆる駐在員事務所(Representative Office、Liaison Office)として現地での営業活動が禁止され、現地のPEに該当しないことから、日本の事業税の所得計算においては駐在員事務所の経費も含んだ金額となりました(つまり、外国の事業に帰属する所得は無し、ということです)。

現地でPE認定されるか否かは事実認定の左右される部分が大きく、またBEPS以降はPEとならない場所は従来より限定的となっており、日本の事業税の計算にも影響することもございますので注意が必要です。

税理士 三木 孝夫

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