2019年7月5日にインドの2019年-2020年の新しい国家予算が発表されました。
今回の大きなポイントは以下の3点です。
- 法人所得税:25%の法人税率の適用対象が売上高40億INRまで拡大
- 個人所得税:高所得者に対するサーチャージを追加
- 外資直接投資:保険仲介業等で規制を一部緩和
法人関係
従来は売上高25億INRを越えない場合は法人税率25%が適用されますが、今回の改正により法人税率25%の適用対象が売上高40億INRまでに拡大されました。
その他では、保険金支払いに対するTDS(Tax Deducted at Source)が1%から5%に変更されます。
個人関係
所得が2千万INR以上ある個人等に対するサーチャージの上限が追加されました。
課税所得が2千万INR超 ~ 5千万INR以下・・・25%
課税所得が5千万INR超・・・37%
外資投資
保険仲介業は100%の外資直接投資を認め、単一の小売業に関しては現地調達基準が緩和されます。なお、「航空」「保険」「メディア」に対する規制緩和の検討が行われることも合わせて決定されました。
なお、日本がMLIの対象としている租税条約の相手国のうち、インドが新たに同条約の批准書をOECDに寄託しました。7月5日の財務省の租税条約に関するプレスリリースをご覧ください。
これにより、日本とインド間の租税条約においては、2019年10月1日からMLIが適用され、日印租税条約について読み替え(改正)が行われ、本改正には以下の改正内容が含まれています。
- 代理人PEの拡大(第12条)
- PEの準備補助的活動の拡大(第13条)
- PE活動の分類防止(第13条)
今後、日印租税条約の読み替えが行われると、インドへ進出している日系企業への現地でのPE課税リスクが高まることが危惧されており、その動向が注目されております。
税理士法人LINKは、インドの現地法律事務所・会計事務所と提携しておりますので、ご連絡お待ちしております。
税理士 三木孝夫